オリンピック水着問題
天声人語より転載
2008年6月11日(水)付
服装をしばらない学校なら、
夏はTシャツ姿があふれるだろう。
軽快で洗いやすい一着が好まれるのは
自然なことだ。日本水泳連盟が、
北京五輪の水着は選手が好きに
選べると決めた。いわば制服廃止である。
世界記録を連発している英スピード社製が、
日本代表の多数派になる勢いだ
▼先日の国内大会で飛び出した17の
日本記録のうち、16が話題の新型水着で
生まれた。競泳ニッポンの顔、北島康介
選手の200メートル平泳ぎは世界新だ。
水着は国内3社に限る、との「校則」は
もはや捨てるしかない
▼良薬は口に苦しで、速い水着は慣れる
までが大変だ。生地は透けるほど薄いのに、
体を極限まで締めつける。着用に20~30分
もかかり、女子選手の一人は「3人がかりで
着せてもらった」と苦笑した。ちなみに、十二
ひとえの着付けも2人がかりで30分を要するそうだ
▼水着の収縮力は体が一回り小さくなるほど
だという。つけるのに手間取るからといって、
早めに着替えておくのはつらい。レース直前に
体をねじ込み、終わればさっさと脱ぐ。まさに戦うため
だけの道具。鎧(よろい)兜(かぶと)を思わせる
▼北島選手は〈泳ぐのは僕だ〉とプリントした
Tシャツで訴えた。水着ばかりが注目される
風潮への不満と見た。条件が同じなら負けない
という自信、そして覚悟にも読める
▼水着の制約が外れ、どれで泳ぐも自己責任
となった。選手は選んだ一着で調整を急ぎ、
力と技の勝負に集中することになる。
道具に寄り道していた大方の関心も、
肉体の争いに戻ってくるだろう。
やっと五輪らしくなる。
以上
国内3社はこの4年間で何を研究して来たのだろうか?
今日の北島選手のコメントを見ると努力を怠った
訳ではないようだが、そうなるとSPEEDに比べて
大きく技術開発力で差を付けられていた事になり
それはそれで嬉しい事実ではないですね。
スポンサー契約と勝てる水着がイコールでは
無くなった今回、今後も続くようだと競技者の
環境悪化にも繋がるかもしれない。
メジャースポーツとは違い莫大な放映権料や
スポンサー収入があるわけではない競技では
尚更でしょう。スポーツ用品メーカーとしての
プライドに懸けて国内3社には今回の失態を
巻き返して欲しいと思う。
最後に、五輪本番まで極僅かしかない時間で
勝てる水着に多くの日本人選手が適応できることを
切に願います。
元からSPEEDの水着で泳ぎこんできた選手との
間に出来ている差が少しでも縮んでくれたらと
せっかく練習してきて、4年に1度しかない機会を
掴み取った選手達の努力が報われて欲しいです。
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